豊胸|医学

● 豊胸手術のアプローチ

以前は、乳輪切開または乳房下切開が主流でした。しかし、昭和60年以降、腋下切開が主流になりました。 それは後々の傷が、ワキが一番キレイだからです。しかし、腋下切開は乳房から遠く、バックを入れるのに手間がかかりますから、 現在でも乳輪切開または乳房下切開を行う医師がいるのは事実です。

● 豊胸バッグ(スムース・テクスチャードバッグ)

以前はバッグの表面が単なる膜のようなスムースタイプが一般的でしたが、 この10年近く前から、表面に細かい凹凸のあるテクスチャードタイプが普及して来ました。 これはバッグ表面の凹凸に応じてカプセル(被膜)も凹凸に形成され、丁度アコーディオンカーテンのように伸びがあるカプセルになる、またはカプセルに作られるコラーゲンの配列が変わるなどの理由で マッサージしなくても固い胸にならいのです。

● 豊胸バッグ、シリコンジェルバッグ

現在の豊胸バッグのルーツは1963年にシリコンジェルをバックに密封した頃に始まります。 それ以前は「肉質注射」と称してシリコンジェルや成分不明のオルガノーゲン等を注射で胸に入れていましたが、 結果的に悲惨な患者さんを多く生み出しました。
その後の改良を得て、現在のシリコンバッグは第3世代などと呼ばれます。現在は粘性を持たせたコヒーシブが主流です。

● バッグの種類(ソフトコヒーシブ CMC 生理食塩水バッグ)

豊胸バッグ

美容外科における豊胸(バストアップ)は、バッグ(人工乳腺)だと現在はソフトコヒーシブシリコンが最善でしょう。 生理食塩水バックは感触が悪すぎます。ハイドロジェルバッグは世界的に禁止傾向です。 CMCバッグもハイドロジェルバッグの1つですが、日本でも平成15年頃は割と使われていましたが、現在はほとんど使われなくなりました。 また生食もハイドロもバッグにいずれ亀裂が入り内容が漏れてペチャンコになるのは必発です。 従って10年過ぎのサイクルで入れ替えを続けないといけません。 その点、コヒーシブ系は感触・安全性・耐久性で他を凌駕します。

●豊胸術後の拘縮

豊胸 拘縮他院術後
(明らかに拘縮)

 拘縮(コウシュク)とはバッグの周りに出来るカプセルの表面積が狭くなり、 中のバッグを球形に近づく形で動かないようにする変形と固さを呈する病態を言います。
しかし、これは生体に入った異物に対して鎧で固めてしまえといった防御反応の表れなので、 体の本来の機能がキチンと働いた証でそれ自体が悪い反応とも言えません。
スムースのバッグの場合、マッサージをしなければ高率に拘縮を起こします。 テクスチャードの場合は、安静さえ保っておけば、滅多に拘縮と呼べる結果に終わることはありません。
右の写真の方は最初の手術でスムースを入れられました。 本人はしっかりマッサージしたというのですが、特に左がガチガチの拘縮を起こしました。 頑張っても拘縮が起きる人も結構いる。これが近年スムースタイプが敬遠されている理由です。